免疫力を高めてがんを抑制するキチン・キトサンなど
一般にがんと呼ぶ病気は、医学的には悪性腫瘍を指します。腫瘍とは、身体の一部の細胞が突然変異を起こし、過剰に、無秩序に増殖して固まり(腫れもの)になったものです。
悪性腫瘍は、周囲の臓器を圧迫したり組織に侵入し、血液やリンパ液の流れに乗ってほかの臓器や部位に転移し、増殖します。このように、がんは無制限に増殖して浸潤と転移を繰り返します。
がんは日本人の死亡原因の第1位であり、全死亡者数の約3人に1人が、がんで亡くなっています。しかし、がん医療の進歩は目覚しいものがあり、診断法や治療法も着実に進歩しています。早期に発見して治療すれば、がんのほとんどが治せるようになりました。
キチン・キトサン
人間には、体内に侵入した異物やウイルス、がん化した細胞を体外に排除する免疫機能が備わっており、この排除の役目をしているのが、白血球の一種であるマクロファージNK(ナチュラルキラー)細胞です。キチン・キトサンは、これらの細胞の免疫機能を強化することによって、自然治癒力を高め、がんを抑制すると考えられています。
特にキチンに含まれているN-アセチルキトオリゴ糖やキトオリゴ糖は、免疫賦活化作用のほか、がんの増殖および転移の抑制、がん病巣の縮小などの効果が判明しており、抗がん剤として利用が期待されています。
ビタミンA
臓器の粘膜が弱くなったり、傷ついたりすると、発がん物質が入り込みやすくなり、がんの発生につながります。ビタミンAは粘膜を正常に保つほか、がん化した細胞を正常な細胞に戻す作用もあるので、食道がん、胃がん、肺がんなど粘膜のがんの予防と治療に効果があります。
ビタミンB群
ビタミンB群は、免疫能力を高めて発がん物質に対する抵抗力をつけます。B2は過酸化脂質の害を防ぎ、B6はがん細胞の増殖を抑えるはたらきがあり、いずれも肝臓がんの予防にう役立ちます。このほか、胃がんを予防するB12や、Eに似た抗酸化作用を持つB15などがあります。
ビタミンC
ビタミンCは、発がん物質が体内で生成されるのを抑えて、がんを予防します。特に発がん性の高いニトロソアミンの抑制に有効で、胃がんや肝臓がんなどの予防に効果があります。また、腸内細菌によってできる発がん物質の生成を抑制するはたらきもあります。
ビタミンD
がんでは、栄養を送るための新生血管が次々できやすいために、がん細胞の発育が早いのですが、ビタミンDはこの新生血管が作られないように抑えるはたらきをします。つまり、ビタミンDはがん細胞の増殖を防ぎ、がん遺伝子の修復も行いながら、がんを縮小させます。
ビタミンE
ビタミンEは、過酸化脂質の生成を抑制する作用があります。活性酸素の害によってできる過酸化脂質は、細胞を破壊しがんの引き金にもなります。ビタミンCといっしょにとると、Eの抗酸化作用はいっそう高まります。
β-グルカン
β-グルカンは、がん抑制効果のある多糖体の一つです。マクロファージやリンパ球のうちのT細胞、NK(ナチュラルキラー)細胞を活性化してがん細胞をつぶし、増殖を抑えます。その他、全身の免疫力を高めてがんを予防します。
食物繊維
食物繊維は、便の量を増やして発がん物質の濃度を薄め、排便回数を多くして発がん物質が腸内にとどまる時間を短縮します。また、腸内細菌のバランスを整えるほか、大腸がんの発生に関係の深い胆汁酸を吸着して、体外に排出させる作用があります。特にきのこに含まれれう食物繊維のβ-グルカンに抗がん剤としての期待が高まっています。
カテキン
カテキンは、渋み成分として緑茶に多く含まれています。緑茶をよく飲む緑茶生産地の人々は、がん死亡率が全国平均よりも低いという調査結果が発表され、それを契機にがんと緑茶に関する研究が進められました。
カテキンを経口投与した動物実験の結果、皮膚、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肺、肝臓、乳腺、膀胱などの各部位のがん予防効果が得られています。
ビフィズス菌
ビフィズス菌は乳酸菌の一つで、人間の腸内に住む善玉菌の代表格です。ストレスやアルコール飲料の過剰摂取によって腸内のビフィズス菌が減少すると、胃腸障害や肝障害を引き起こし、がん発生の遠因になります。
ビフィズス菌は腸内の腐敗菌の増殖を抑えることによって、有害物質の生成を防ぎます。例えば、胃の中で生成する発がん物質ジメチルニトロソアミンを無害化するとの報告があります。また、がん予防に効果のあるビタミンB群などを腸内で生成し、これらを吸収し利用するはたらきがあることがわかっています。
コラーゲン
細胞や組織をつなぎ、体内各部の機能を活性化するはたらきがあります。動物実験ですが、コラーゲンは免疫機能を強化し、がん細胞に対して効果のあることが報告されており、がん予防に期待がかかっています。
セレン
セレンはミネラルの一つで、過酸化脂質を分解し、活性酸素の害から細胞膜や生体膜を守ります。セレンの抗酸化作用は、ビタミンEと同時にはたらいたとき最高の効果を発揮します。